安田登の瑞泉寺寺子屋『オテラでオペラ』第1回
ご無沙汰しております。
久しぶりのイベントのご案内です。
安田登さんの瑞泉寺寺子屋、しれっと復活いたします。
第一弾はなんとオペラがテーマ。安田さんによると、
モーツアルトの「ドン・ジョヴァンニ」と紫式部の「源氏物語」には
何か共通するものがあるらしく、
歌って、謡って、話して、唄って、という内容みたいです。
謎のさすらいのうた歌い田渕くんをゲストに、
瑞泉寺の本堂で開催いたします。
2023年5月28日 15時30分開場、16時開演、18時終了予定。
受講料はお賽銭です(お気持ち、はずんでくださいネ!)。
開演前に、軽くお経などあげてから始めます。
当日は、ミシマ社の本屋さんに来てもらって
安田さんの本を中心におすすめの本を販売します。
コロナやらいくさやらで、知らない間に傷んだこころとからだを
すこし休めてもらえるような時間になればいいなと思ってます。
お申し込みは
info@zuisenji-temple.net
配布する資料のプリントの都合上、27日までに
お名前、人数、お知らせください。
(以下安田登さんより)
今月から始まる「オテラでオペラ」。さまざまなオペラを、無理やり日本や中国の古典と結びつけてお話をしようという講座。
第一回は「なぜ、こんな男が人気者?」というテーマで、モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』と『源氏物語』を扱います。
『ドン・ジョヴァンニ』の主人公ドン・ジョヴァンニと『源氏物語』の主人公である光源氏に共通するのは、女性遍歴者であるということです。現代的な目で見ると、ほんとひどい男たちですが、『ドン・ジョヴァンニ』はモーツァルトのオペラの最高傑作と言われますし、『源氏物語』も世界に冠たる古典の名作です。
なぜ、こんなひどい男たちが時代を超えて支持され続けるのか、それを考えていきたいと思っています。
オペラの担当の歌い手は田渕洋二郎(さすらいのうた歌い)、そして古典担当は安田登(能楽師)です。
この「おてらでオペラ」。どんな風に進んでいくのかも、主催者もよくわかっていません。正直、面白いのかどうかもわからない。そして、このテーマが一回で終わるどうかもわからない。
わからない尽くしの実験講座です。どうぞ暖かいお気持ちでお出ましください。
おすすめの本『坊さん、ぼーっとする。』
コロナのおかげで読書がすすみますね^_^
この機会に仏教のこと勉強したいなー
でもムズカシイ本はちょっとね、
と思われたている方、おすすめがあります。
四国八十八ヶ所霊場の名刹、栄福寺の御住職、
白川密成師の「坊さんシリーズ」。
「僕は坊さん。」
「坊さん、父になる。」
そして新刊「坊さん、ぼーっとする。」
密成さんのお坊さんとしての日々と、
そこから汲み上げられる思索が綴られているんですが、
これが深いです。
密成さんは真言宗のお坊さまなので、
お釈迦さまの教えはもちろん、
空海の思想が随所に紹介されていて、
なんと「ぼーっとする。」ではついに
密教のいちばん大事な経典「理趣経」の思想が
語られていきます。
小さな娘さんたちとの日常の会話から、
密成さんは理趣経の世界へと入り込んでいくので、
難しい思想が、とても身近に、
日々の暮らしに活かせる形で解説されていきます。
これは仏教やお寺が好きで好きでたまらない
密成さんしか書けない本。
日常の暮らしを愛し、
日々を密教の思想で味わい直しながら暮らしている、
日本のお坊さんしか書けない本だなあと思います。
仏教や密教のことがよくわかって、
なにより密成さんの日々に
ほんわりした気持ちになれるので、
コロナの今、読むのをおすすめします。
オビにもある「期待せずに、平気で待つ勇気」
今こそ実践したいです。
4月12日(木)玉川奈々福独演会@京都瑞泉寺
安田登先生方からのご縁をいただいて、
瑞泉寺にて玉川奈々福さんの浪曲会を開催できることになりました。
浪曲って、関西の人、特に若い方にはなじみがないかもしれませんが、
奈々福さんの出現で、いまとっても注目されている語り芸なのです。
浪曲をまだ聞いたことがない方にも、
そして昔聞いたことがある方にも、
きっと新しい楽しさの発見があると思います。
春爛漫の木屋町瑞泉寺で奈々福さんの浪曲をお楽しみください。
浪曲!
奈々福姐さん京都の陣―玉川奈々福独演会@瑞泉寺―
●2018年4月12日(木)
●19時開演(18時半開場)、20時半終演予定
●出演 玉川奈々福 沢村さくら(曲師)
●演目「金魚夢幻(きんぎょゆめまぼろし)」と古典1席(おたのしみ)
●入場料 2000円
※お支払いは当日現金でお願いいたします。
お席は基本到着順とさせていただきます。
当日早くから行列ができるようでしたら整理番号をお配りしようと思っています。
お申し込みとお問合せ
info@zuisenji-temple.net 瑞泉寺
浪曲って浪花節? あのお涙頂戴の? と思ったら大間違い。
大笑いしてときどきほろっと、小憎らしいまでに爽快な語り芸をご堪能あれ。
なんたって金魚と人との恋物語って、ふざけた話じゃありませんか。
そのふざけた話が、なんだか本当にありそうに聞こえてくるからこれまた不思議。
三味線の音色がまた、お伽の国への道案内みたいににキラキラと響くんです。
そしてこの演目、なんと奈々福さんのオリジナル。
ほかでは聞けない、奈々福さんだけの浪曲。
浪曲ファンも、初めてのお客さんも、みなさんにお楽しみいただけるはず。
ふだんは東京を中心にご活躍の奈々福さんを京都にお迎えしての出張独演会、
このチャンスをどうぞお見逃しなく!
⭐︎みどころ番外編
演台にかける大きな布(テーブル掛けといいます)に素敵な金魚が泳いでいます。
この金魚、なんと金魚絵師の深堀隆介さんによるもの。
しかも手描きなんですよ! ぜひ間近でご覧ください。
玉川奈々福
プロフィール
浪曲師・曲師(浪曲三味線弾き)。神奈川県横浜市出身。
1994年、日本浪曲協会主宰三味線教室に参加。翌年、二代目玉川福太郎に入門。
曲師修業をしていたが、師の勧めにより2001年より浪曲師としても活動。
2004年「玉川福太郎の徹底天保水滸伝」全5回、2005年「玉川福太郎の浪曲英雄列伝」全5回プロデュース。
2006年本橋成一監督作品『ナミイと唄えば』出演。同年12月、芸名を美穂子から奈々福に改め名披露目。
さまざまな浪曲イベントをプロデュースする他、
自作の新作浪曲も手掛け、他ジャンルの芸能・音楽との交流も多岐にわたって行う。
かに座のO型。賞罰、なし。
奈々福公式ブログ ななふく日記
奈々福onついった
沢村さくら(曲師)
沢村さくら
曲師。山形県出身。大学在学中より浪曲に興味を持ち公演に通う。
2000年3月に沢村豊子に弟子入り、同年11月浅草木馬亭にて初舞台。
東京で活動していたが2005年に大阪へ住まいを移し、
2006年11月に「一心寺門前浪曲寄席」にて大阪での初舞台、以後大阪にて活動。
関東関西の節を弾きこなし、ベテランから若手まで多くの浪曲師の曲師を務める。
一方で、曲師にスポットライトを当てた企画や、「あべの浪曲フェス」など、
色々な角度から浪曲公演を主催。
2017年には、小林正明写真展「日日是浪曲-曲師さくらの世界」が
東京・大阪・名古屋の3都市で開催された。
絵本 だいぶつさまのうんどうかい
- 2017年9月21日|
- |コメントはまだありません
新しい絵本作りました!
文章は絵本作家の苅田澄子さん。私が絵を担当しましております。
仏様たちの運動会でのだいぶつさまの奮闘を描いたおはなしです。
千手観音さんはたくさんある手で玉入れに大活躍。
石のお地蔵さんは小さな体を生かして障害物競走でトップ。
さて、大きな体で初参加のだいぶつさまは…。
声をかけていただいたアリス館さんのおかげで、
お坊さんイラストレーターとしてはじめて仏さまたちが活躍する絵本を描けました。
とはいえ、かなりはちゃめちゃな仏さまたちですが。
ちっちゃい子たちが楽しみつつ、仏様に親しんでくれたらいいなあと思って描きました。
苅田さんのお話は一読すると子ども向けのやさしいお話ですが、深いです。
いろんな存在がそれぞれのあるがままの姿でこの世界の役に立っている。
そんな仏教の根底に流れる思想を語っているように思いました。
クライマックスでは中川式マンダラ図もお見せいたします。
読むと元気がでる絵本。こどもにも、おとなにも、おすすめです。

カバー裏には楽しい仏様図鑑もありますので、
絵本の中で活躍している気になる仏様があったら調べてみてください。
アリス館
※このHPには釈徹宗先生(僧侶・宗教学者)、みうらじゅん先生(イラストレーター)という
尊敬するお二人からの推薦分も掲載されています。とても素敵な言葉をいただきましたので、
そちらもぜひお読みくださいね。
寺宝紹介その4
最後の寺宝紹介は、今回展示の中の目玉(いっぱい目玉があるんですが)
瑞泉寺伝来表具裂(きれ)、通称『瑞泉寺裂』です。
京都市指定有形文化財に指定されていて、
京都国立博物館に寄託しております。
事件に連座した秀次公の子女妻妾ら三十余名の辞世の和歌懐紙を
彼女たちが着用していた小袖などの裂で表装したものです。
左から
⚫︎処刑十七番 お美屋の前 十三歳(側室「一の御台」の息女)
おもはずも君のおともに
候するにつけて
秋といへば
まだいろならぬ
うらはまで
さそひゆくらん
しで(死出)の
やまみち
⚫︎処刑十一番 お伊万の方 十七歳(出羽国最上家息女 通称駒姫)
罪なき身を世の曇りに
さへられて 共に冥土に
おもむくは 五常の罪も
はらひなんと思ひて
罪をきる弥陀の
つるぎに
かかる身の
なにかいつつの
障りあるへき
⚫︎処刑七番 お佐古の前 十七歳(十丸君の生母 北野神社社家 松梅院娘)
常に観音を信心せしかば
さぞや冥土も
大悲の光あらんと頼もしく
ひとすぢに
大悲大慈の
影たのむ
こころの
月のいかで
くもらん
⚫︎処刑五番 お辰の前 十九歳(百丸君生母 尾張星崎城城主山口祥雲娘)
我設けし公達の
うたれさぜ賜ひしを
見参らせて
妻(夫)や子に
さそはれて行く道なれば
なにをかあとに
おもひ
のこさん
どれも、胸がつまるようなお歌です。
絢爛豪華な刺繍が辞世の句をひき立てています。
傷みも少なく、美しい色彩がそのままに保存されておりました。
次に世に「瑞泉寺裂」といえば「辻が花染め」
これは三幅あります。
側室たちの辞世の句ではなく天皇からの綸旨の表装です。
今回展示しているのは、後西天皇(即位.明暦元年〜一六五四年)綸旨
当山第四世住職『桂屋上人』が「勅許の色衣」の着用許可を朝廷より
いただかれた証書です。
この方は創建から七十年たって荒廃していた瑞泉寺を再建された
中興の人として知られています。
上の方の紫色の部分が『辻が花染』。
400年前の色彩がきれいに残っています。
辞世和歌は二十幅あり、辻が花は3幅あります。
いつか二十三幅がずらりと並ぶ姿を見たいですね。
そしてその真ん中には秀次公縁起全編が展示され、
復元された秀次公御真筆の扇面が展示されている。
そんな展示会場を夢想してしまいます。
京都国立博物館さん、ぜひ(^^)