西山の教え
- 2014年4月5日|
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瑞泉寺は「浄土宗西山禅林寺派」に属するお寺です。
「浄土宗西山禅林寺派」とは、ご本山はもみじで有名な京都東山の永観堂禅林寺。
知恩院さんを本山とする「浄土宗」とは流れを別にする
「浄土の教え」を伝える宗派です。
浄土の教えはインド、中国を経て、
法然上人によってはじめて一宗が建てられました。
鎌倉時代初頭のことです。
「浄土の教え」とは広大な仏教の教えの中でも、
特に普通に暮らす私たちに開かれた教え。
阿弥陀如来のお名前を唱えれば、
誰でも阿弥陀様の国に生まれることができる、という教えです。
「南無阿弥陀仏」と唱えれば、
全く苦しみの無い極楽浄土(阿弥陀さまの国)に生まれることができる。
そんなシンプルな「お念仏の教え」は、
戦乱や天変地異に疲れた当時の民衆に受け入れられ、
瞬く間に広まっていきました。
それは、貴族やお金持ち、
または専門に仏教を学ぶ僧侶という限られた者たちだけが
独占していた仏教を、庶民に開放する革命的な運動だったのだと思います。
そんな法然上人に十四歳の頃から弟子入りし、間近に教えを受けたのが
西山上人こと、善恵房証空上人でした。
「西山禅林寺派」はこの西山上人のお念仏の教えを今に伝える宗派です。
小賢しい人間の知恵を捨て、仏さまに任せきって日々を生きる。
「西山の教え」はそんな教えです。
現代社会では、常に「俺」「自分」を主張することが当然のようになっています。
そこにすべての不幸があるのではないか。
「自分」を探さず、捨ててしまおう。
人間はなんでもできるという勘違いに気付いて、
自然の恩恵に感謝して生きよう。
日々を、「南無阿弥陀仏」を口で、心で唱えながら、仏さまと一緒に生きる。
そうすれば、毎日の暮しがそのまま、極楽浄土での暮しになるんですよ。
と法然上人と西山上人はアドバイスしてくれています。
瑞泉寺の本堂には阿弥陀如来さまの立像が安置されています。
境内から参拝できますので、ぜひ手をあわせていただいて、
「南無阿弥陀仏」と心の中で唱えてください。
阿弥陀さまの広くて暖かいネットワークの中にいるということを、
感じることができると思います。