430回忌記念 その2奉納創作舞台『殺生塚』

能案内

⚫︎能楽師安田登による創作舞台
430回忌記念として、豊臣秀次公とご一族追善のため、芸能の奉納を企画しました。『鎮魂』をテーマにしたその二つ目は、能を取り入れた創作舞台。下掛宝生流能楽師にして作家、マルチな活動で知られる安田登氏による秀次事件に材をとった創作舞台を、瑞泉寺本堂で演じていただきます。

⚫︎タイトルは『殺生塚』
タイトルの『殺生塚』は、秀次公ご一族の処刑の跡地に築かれた塚のこと。今から430年前、瑞泉寺のあるこの場所は鴨の河原の広い中洲でした。東海道の終着点として新たに掛けられた三条大橋のたもと、旅人が行き交うこの場所で、公開処刑場は行われました。秀次公のご一族、若く美しい側室上﨟34名と幼い子ども5名が次々と刀にかかり、そのご遺体は大きく掘られた穴に放り込まれました。処刑後そこには巨大な塚が築かれ頂上には秀次公の御首を納めた石の首櫃が据えられたと伝わります。やがて塚は『殺生塚」と呼ばれるようになります。

⚫︎『殺生塚』と『瑞泉寺』
生前の秀次公が殺生を好んだからとも、秀次公の役職「関白」が「摂政関白」から連想され「殺生関白」に転じたからとも言われます。秀次公は晩年、後継者問題で権力者秀吉から疎まれ始めた頃から様々な流言蜚語に悩まされますが、それは死後まで続いたのです。その後17年を経て高瀬川の開鑿を命じられた豪商にして大土木事業者の角倉了以は、工事の途中荒廃した塚を発見し未来永劫この地を残すため寺を建てて守りました。これが瑞泉寺の起こりです。秀次公の首櫃は新たな石塔に組み込まれて秀次公とご一族の墓域として瑞泉寺の一角に移され安置されました。そしてかつて処刑が行われ塚が築かれていた場所に本堂が建てられ現在に至ります。

⚫︎鎮魂の舞台
この本堂で、安田登氏と彼の率いる劇団ノボルーザが鎮魂の舞台を奉納します。舞い、謡い、ヲノサトル氏の電子音響が重なります。秀次公は能を愛し、自ら舞いまた能の注釈書を編纂したとも伝わります。そんな秀次公に能を取り入れた現代的な舞台を奉納し、悲劇の女性たちの御霊を弔います。

安田登(やすだ・のぼる)

1956年千葉県⽣まれ。下掛宝⽣流ワキ⽅能楽師。元ロルファー。

⾼校時代、⿇雀をきっかけに甲⾻⽂字と中国古代哲学への関⼼に⽬覚める。⾼校教師時代に能と出会う。ワキ⽅の重鎮、鏑⽊岑男師の謡に衝撃を受け、27歳で⼊⾨。現在は、能楽師のワキ⽅として国内外を問わず活躍するかたわら、『論語』などを学ぶ寺⼦屋「遊学塾」を東京を中⼼に全国各地で開催。⽇本と中国の古典の “⾝体性”を読み直す試みも継続。能のメソッドを使った作品の創作、演出、出演も⾏なう。隣町珈琲でも「論語と⾝体」「古事記から探る⽇本⼈の古層」シリーズなど連続講座を多数開催。http://watowa.net

430回忌記念奉納芸能その二
⚫︎安田登&ノボルーザ創作能舞台『殺生塚』
日時/2024年6月8日13:30開場14:00開演
場所/京都瑞泉寺・本堂
席数/限定80席(うち5席はクラウドファンディング返礼品に出品
参加費/1人5,000円
ご予約方法/4月1日より予約受付開始します。
メールinfo@zuisenji-temple.netにて、氏名・人数・連絡先電話番号をお知らせください。
お申し込み確認後、メールにて整理番号を返信いたします。開場時整理番号順の自由席です。
※info@zuisenji-temple.netからのメールを受信できるように設定をお願いいたします。
※入場料は当日受付にて現金でお支払いください。
※ご予約はお一人様3名分まででお願いいたします。
※定員になりましたら予約は打ち切らせていただきます。