美術家升田学さんは
針金を使って様々な事物を描き出す稀有なアーティストです。
その升田さんが1年と少し前、
瑞泉寺所蔵の『当麻曼陀羅』の掛け軸に出会い、
以来、宝塚から毎月2回通って
コツコツと針金で曼陀羅を写す作業、
『写仏』をされています。
『当麻曼陀羅』とは、
阿弥陀如来の国を描き現した浄土変相図。
1m80cmという大きな掛け軸に
細かく描かれた極楽の様相を
升田さんは1本の針金で丁寧に
写し取っていきます。
毎回、ぐるぐる巻いた長い針金の先から
阿弥陀さまや菩薩さま方が
少しずつ現れていく様には、
不思議な感動があります。
さて、『当麻曼陀羅』全体をいつ写し終えるのか、
未だまったく見えません。
今回の展示は、
この終わりの見えない創作の旅の
中間報告、第一回め。
現在までに完成している
阿弥陀如来像と観音勢至の諸菩薩方と
その創作過程を見ていただきます。
瑞泉寺所蔵の『当麻曼陀羅』の現物と
見比べていただきながら、
この遠大でのんきなプロジェクトを
遠望していただけたらと思います。
升田学 針金造形画展 『写仏』
2017.11/10(Fri)、11(Sat)、12(Sun)
13:00~17:00 入場無料
※全日程作家在廊